差し入れ
「差し入れっスか!…お、肉まん!あざ~っす!」
原稿をとりにやってきた雄二郎が差し出したコンビニの袋を受け取り、安岡はうれしそうだったが、
「…肉まん?」
福田は不満そうだった。彼はアシスタントに人数分の茶を淹れるよう命じ、それを受けた安岡が席を外すと、
「…フランクフルトがよかったのに…」
そう、担当編集者に向かって不満をこぼした。
「誰が買うか!二度と!」
「あれ?雄二郎さんも喜んでたじゃん」
先日、それを買ってきたら…安岡がお茶を淹れにいってる間、この作家先生はこれ見よがしにいやらしい舌つきでそれを舐めあげて、担当編集者を「挑発」したのだ。
「喜んでない!君が…はしたないのに腹が立ったんだよ!」
「だからちゃんと、安岡が外してる時にしたじゃねーか」
「…ああいうのは…本当に、二人っきりの時だけにしてくれ…。頼むから…」
「…りょーかい」
くすくすと笑いながら了承の意を告げる福田に雄二郎は、まだ付き合い始めて日も浅いが、これからずっと、振り回され続けるであろう確信を強くした。
2009-12-05 :
雄×福SS :