たまゆら

福田×蒼樹SS
超掌編です…。

---

目が覚めて、俺がウーッてうなり声をあげたら、
「…っ！見ないで下さい！」
そう、蒼樹嬢が叫んだ。
（え…あ…）
とっさに、頭から布団を被った。
（ああ、そうか…服、着てる訳か…）
昨夜、何もかも見せ合った仲なんだから、別にいいじゃねーかと思ったが…。そういう、「恥じらい」も悪くないと俺は、思い直した。


しばらくすると、
「…もう、いいです」
言われて布団から顔を出すと、きっちりと服を着た…でも、髪型だけがちょっと変な、蒼樹嬢が立っていた。
「…何が、おかしいんですか？」
思わず笑ってしまった俺を、彼女が見咎める。
「いや…。『かわいいな』って思って」
「…っ！」
小ぶりのバッグをひっつかむと、蒼樹嬢は無言で部屋から出て行った。