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サイレン

福田×蒼樹SS


ウ~ッという消防車のサイレンの音が、通り過ぎたかと思うとまた、次のが近付いてくる。複数台出動するとは、規模の大きな火事なのかと気になって蒼樹は、カーテンを引いて部屋の外を眺めた。
「近そうか?」
背中の方から、部屋の主に声をかけられて彼女は答える。
「分かりませんけど…。あ、もう一台…」
建物だけで済めば…人的な被害が無ければいいのに…と内心祈っていると、
「…今日で、よかった」
福田が呟いた。


(…「よかった」?)
火事に…人が亡くなっているかもしれない出来事に、「よかった」とは一体何事か?と思い、眉をひそめながら福田の方を振り返ると、
「…あんたが来る日で。じゃねーと俺、『まさか、蒼樹嬢の部屋じゃねーだろうな?』って心配しねーといけねーじゃん」
「…っ!」
何と言えばいいのか分からずに蒼樹が顔を赤くして黙っていると、福田はニッと笑いながら「提案」をした。
「…いっそ、心配する必要がねーようにするか?」


(それって…「一緒に暮らそう」って意味…ですか?)
相変わらず蒼樹は押し黙ったまま。しかし、言葉を交わさずとも既に、二人の間には確実に甘やかな空気が漂っていた。

2010-02-10 : 福×蒼SS :
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プロフィール

曜

Author:曜
バクマン。の雄二郎×福田がメインのSSブログです。福田×蒼樹も少々。ド短期運営になるかもしれませんが、よろしければお付き合いの程を。

なお、SSは話ごとに時期や設定が異なります。両思いだったり片思いだったり。キャラの性格や口調等、かなり独自解釈してたりで捏造率が高いかと思いますが、あしからずご了承願います。


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